NPO日本コミュニティーガーデニング協会の歩みと私の夢
NPO日本コミュニティーガーデニング協会会長 外山たら
 
 
 
NPO JCGAが平成13年に東京都に承認されてから、12年目になります。この協会の設立のきっかけになったのは、朝日新聞の天声人語で紹介された『カルフォルニアの学校菜園』のこんなコラム記事でした。

“先日、アメリカ西海岸を旅した知人の話。・・・サンフランシスコ近郊の公立中学校に「学校菜園」があるのを見た。ニンジン、ジャガイモ、ブロッコリーなどと書いた札が立っている。たっぷりと、2000平方メートルほどの広さだろうか。聞けば、有機農法で生徒たちが栽培しているのだという。トウモロコシ、キャベツ、大豆、トマトもできる。学校での昼食は、自分たちの野菜を材料に生徒たちがこしらえる。菜園の近くに、長い木の食卓と30~40人は座れるベンチが置いてあった。かつては荒れた学校だったらしい。
校舎は落書きだらけ、ガラスは割られ放題。けれども菜園と野菜作りを始めると、子供たちは少しずつ穏やかになってきた。落書きは消えた。ガラスが割れることもなくなった。後に評判が伝わり、カリフォルニア州当局が教育改革の一環に取り入れた。今、1000を超える公立中学に、こうした菜園があるという。
その源は、有機農法の食材しか使わないレストランの店主、アリス・ウォーターズさんだ。店の行き帰りに見る学校の荒れようが、彼女は気になっていた。自身、小学校で教えた経験もあったため、知り合いの校長に、菜園をつくってみたら?と勧めた。
「子どもたちは出来合いのファストフードばかり食べている。体にも、心の健康にも悪い。食事の乱れは学校の乱れ。ひいては国の乱れ。」店を訪ねた知人に彼女は語った。「家族一緒に、自分たちが作った料理を食べる機会が減ってしまった。みんなバラバラ。子供は畑と台所の両方から、生き物や他人への心遣いとか、忍耐、自制心を学べるはずなのよ。」
科学的根拠は知らないが、菜園作りと心のおだやかさは、たしかに関係がありそうだ。知人は今回の旅で何度か、次の言葉を聞いた。「今のままの生き方では、世の中だめになってしまう。いろんなことを試してみようよ。」

この天声人語を読んだとき私の脳裏に瞬時に閃いたのが「日本でもこれを試してみよう!」でした。すぐに学校ガーデニング協議会を立ち上げました。日本、特に東京では校内に広い土地を確保するのが困難だったので、私の専門であるハーブを中心とする小規模菜園を企画しました。
第一号学校ガーデンが作られたのが東京・板橋区立高島平第一中学校でした。手入れは園芸部の生徒たちでした。園芸部以外の生徒たちにもいろいろな香りのハーブの植わった菜園は大人気で、休憩時間にその日の自分の気分にあった香りを楽しんでいたそうです。その後も、港区の青山小学校をはじめとして都内各地に学校菜園を増やしてきました。中でも板橋区立高島第三中学校の特殊学級クラスのハーブを通じた学習支援は10数年続き、大きな成果をあげています。

平成13年10月に特定非営利活動法人日本コミュニティーガーデニング協会(NPO JCGA)が認可されたあとは、対象を全国の小中学校から地域の公園、障害者施設や老人ホームまで広げ、まちづくりの推進を図る活動、福祉の増進を図る活動をも展開してきました。

渋谷区の代々木公園では10数年前から東京都に委託されたハーブガーデンを管理、それを利用した講座などを開催し、この実績が大きく評価され、昨年10月には東京都から感謝状をいただきました。



埼玉県和光市に委託された“和光市花と緑のアドバイザー養成講座”は3期目を終え、本日3期生の修了式を行いました。和光市の樹林公園内にハーブガーデンを作り、受講生はそこで実習を行い、園芸全般を学びます。
初級コースを終えると、希望者はスキルアップコースを選択できます。スキルアップコースに進んだアドバイザーは今日で50名です。この方々は、さらに技能、知識を深めつつ、園内の花時計ガーデンやブランターガーデンの除草や植栽のボランティア活動を行います。市にまかせっきりの公園管理でなく、自分の街の自分自身の公園作りには、これからのコミュニティーガーデニングの大いなる可能性を秘めていると私は考えます。

今、私が生きがいのひとつにしているのは、板橋区にある落合幼稚園のハーブ講座です。落合幼稚園の富永園長さんのお嬢さんが私のハーブスクールの受講生であったのがご縁で、4~5歳の園児にハーブ教室を行っています。月に2~3回、ハーブティーを飲みながら、ポプリ作りやジェノヴァソースのパスタ試食などおこなっていますが、子供達のハーブの名前や香りの認識力は素晴らしく、幼子の感性のすごさを感じます。このような子たちが、地球の未来を明るく担ってくれると私は感じています。落合幼稚園に行くと、園児たちが“タラせんせーい”と呼びながら集まってくれます。この喜びを、皆さんと共有したいとおもいます。
この喜びを分かち合うこと・・・・・これが私の“夢”です。
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